和菓子のひとつである揚げ餅は、ふんわりとした食感と香ばしい風味が魅力ですが、実はカロリーと糖質が高めなおやつとしても知られています。本記事では、家庭で作る場合と市販品の場合の栄養成分の違いを詳しく解説し、和のおやつとして楽しむための食べ方のコツやカロリーオフの工夫についてまとめています。
揚げ餅とは?
歴史と背景
揚げ餅は、餅を油で揚げた後、砂糖や醤油などで味付けする伝統的な日本のスナックです。お正月に余ったお餅を活用するためのアレンジ料理としても親しまれ、地域や家庭によってさまざまなバリエーションがあります。
主な種類
揚げ餅には以下のような種類があります。
自宅で手作りするタイプ:シンプルに揚げた餅に、砂糖や醤油をまぶして仕上げます。
店頭で販売される串に刺さったタイプ(磯部揚げ餅):丸餅を串に刺し、たっぷりの調味料で味付けされるため、比較的カロリーが高くなりがちです。
お菓子用の揚げ餅:パックで販売され、乾燥状態で保存性を高めたものもあります。
揚げ餅のカロリーと糖質量【自家製レシピの場合】
自宅で作る場合、代表的なレシピとして、以下の材料が1食分(餅1個分)で使用されます。
材料 | 使用量 | カロリー | 糖質 |
---|---|---|---|
餅 | 50g | 112kcal | 約25.2g※ |
醤油 | 6g(小さじ1) | 5kcal | 微量 |
砂糖 | 3g(小さじ1) | 12kcal | 約3.4g※ |
油 | 2.6g(吸油率5%の場合) | 24kcal | 0g |
合計:152kcal、糖質:約28.6g |
※糖質の値は、餅および砂糖由来の概算値です。
調味料なしの単純に揚げた餅だけの場合、カロリーは約136kcal程度で、そこに砂糖や醤油を加えることにより、糖質およびカロリーが上乗せされることになります。2個食べると、白米ご飯1杯(150g)前後と同程度の糖質を摂取することになるので、食べる量には注意が必要です。
揚げ餅のカロリーと糖質量【市販品の場合】
市販の揚げ餅は、タイプやメーカー、使用される調味料などによってカロリーや糖質量が大きく異なります。以下はいくつかの例です。
串に刺さった磯部揚げ餅の場合
こちらは丸餅を2個使用するレシピが一般的です。
材料 | 使用量 | カロリー | 糖質 |
---|---|---|---|
丸餅(2個、70g) | 70g | 157kcal | 概ね40~45g程度※ |
醤油 | 36g | 28kcal | 微量 |
砂糖 | 9g | 35kcal | 約10g※ |
のり | 4g | 8kcal | 微量 |
油 | 3.5g | 32kcal | 0g |
合計:259kcal、糖質:約47.3g |
※糖質値は概算です。
市販のお菓子タイプの揚げ餅
乾燥させたパック詰めの揚げ餅も多く、以下のような製品が存在します。
モチクリーム:1包装あたり約155kcal、炭水化物33.0g
明日香野 磯部餅:1個当たり約230kcal、炭水化物51.7g
セブンイレブンの二度揚げ餅:1品で417kcal、糖質55.2g
その他の市販製品では、パッケージごとにカロリーと糖質の値が異なるため、成分表示をよく確認することが大切です。
和のおやつとしての食べ方のコツ
伝統的な和の味わいを楽しむために、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
適量を守る
揚げ餅は見た目や食感から「気軽に食べられるおやつ」に感じられがちですが、1個あたり約150kcal前後であるため、食べ過ぎには注意が必要です。特に、糖質を気にする方は、2個で白米1杯分の糖質に相当することを考慮して、摂取量の調整を心がけましょう。
付け合わせでバランスをとる
揚げ餅は、めんつゆや大根おろしで味付けすると、塩味や酸味が加わり、単体の甘さや油っこさが和らぎます。また、さっぱりとした付け合わせを選ぶことで、全体のカロリーバランスを改善する効果も期待できます。
食事全体で糖質をコントロール
揚げ餅はおやつとして楽しむ分には構いませんが、普段の食事で糖質を控えめにするなど、1日の栄養バランスをしっかりと考えて取り入れることがカギとなります。
カロリーオフの工夫
高カロリー・高糖質である揚げ餅を、よりヘルシーに楽しむための工夫もいくつかご紹介します。
油の使用量を見直す
・油の吸収率はおおよそ5%程度とされていますが、揚げ方を工夫することで吸収油の量を減らすことができる場合があります。
・例えば、キッチンペーパーで余分な油をしっかりと落とすことや、油の温度管理を徹底することで、油の吸収量をある程度コントロールすることが可能です。
低カロリーな調味料の活用
・砂糖の代わりに、低糖質の甘味料を使用することで、糖質量を削減する工夫が考えられます。
・また、醤油の使用量を調整したり、旨味を補うために昆布だしや鰹節などを活用することで、濃い味付けをしつつもカロリーオフが可能です。
調理法の工夫
・揚げる代わりに、オーブンで焼いたり、トースターで軽く焼くことで、使用する油の量や吸収量を大幅にカットする方法もあります。
・この方法では、揚げた時のモチモチ感がやや変化するかもしれませんが、カロリーを抑えたヘルシーなアレンジとしておすすめです。
餅の種類を工夫する
・市販されている糖質制限用の餅や、低カロリータイプの餅を探してみるのも一つの方法です。
・また、全体のカロリーを気にする場合は、揚げ餅の量を減らし、他のおやつや副菜とのバランスを見ながら食べると良いでしょう。
まとめ
揚げ餅は、その独特の風味と食感から、和のおやつとして幅広く愛されていますが、1個あたり約150kcal、糖質は28~30g前後と、意外にも高カロリー・高糖質なおやつです。
家庭で作る場合と市販品では、使用する材料や調味料の量で大きく栄養成分が異なります。食べる際は、適量を守りながら、付け合わせや調理法の工夫を取り入れてヘルシーに楽しむことがポイントです。
また、日常の食事全体で糖質やカロリーのバランスを考えることも重要です。揚げ餅を楽しむためのコツや、カロリーオフの工夫を参考に、伝統の和のおやつを健康的に取り入れてみてはいかがでしょうか。